飲食店の社員研修

飲食業界の動向と飲食店向け社員研修

飲食店は、従業員の接客スキル次第で店舗の印象や評価が大きく左右されるサービス業です。ここでは、飲食業界が直面している様々な課題や企業が実施している社員研修のメリット・デメリットなどを紹介します。

飲食店業界(外食業界)の動向

外食業界は国内の所得拡大と共に成長を続けてきましたが、人口減少やデフレ環境下での節約志向により、市場規模は将来的にますます縮小していくといわれています。飲食店は新規での参入企業と撤退している企業が多い業界であり、売り上げの8割を中小規模の店舗が占めていますが、大手チェーンとの競争や人材・食材費のコスト上昇、さらに人手不足という深刻な問題に加え、コンビニや食品スーパーなどの中食需要への対抗策も求められる厳しい事業環境です。

これらの様々な課題を解決していくために、競合店との差別化と中食需要の獲得、そして収益改善の3つの取り組みが必要です。競合店の差別化においては接客力の向上や店舗イメージの改善、中小規模店ならではの地域密着という強みを活かした戦略が有効です。収益改善についてもパート・アルバイトの即戦力化を進めていくことで労働生産性向上が実現できることから、積極的に社員研修を取り入れる企業が増えています。接客マナーを身に付けたスタッフを教育係として現場に配置する研修法で、短期間に店舗の評価を改善した飲食店もあります。社員が安心して仕事に打ち込めるよう、丁寧な教育を継続していくことが、この業界で勝ち残るための鍵なのです。

飲食業界の教育の課題

少子高齢化が叫ばれる現代、飲食業界においても雇用と売上両面からの対策が重要な課題となっています。人口減少の影響による市場の縮小と深刻な雇用難の問題が避けられない状況を踏まえ、各企業は様々な改善策を講じています。まず、売上面では著しい成長を続ける中食市場への参入です。例えば、独自のブランド力を活かし、スーパーや百貨店に総菜専門店として店舗を出店するほか、デリバリーサービスを開始して中食市場への参入を図るなど、市場範囲を広げていく対策です。また、若年労働者の減少による人手不足の問題に関しては、中高年の積極的な雇用や外国人労働者の活用など、人材の視野を広げることで活路を見出しています。

さらに、長引く景気低迷を背景に海外進出を進めている企業や、M&Aによる規模拡大で生き残りを図る大手外食企業は、事業リスク管理と社員の人材育成という大きな課題を抱えています。飲食業は「接客」で成り立つホスピタリティ産業です。少子高齢化の中、これまで十分に活かしきれなかった新たな人材に着目し、接客レベルの向上を図ることは今後の飲食業界において必要不可欠といえるでしょう。他社との差別化に取り組む上でも、社員研修は有効な手段なのです。

飲食業界での主な研修

飲食業界が取り入れている研修の内容をご紹介します。ぜひ参考にしてください。

接客研修

接客をする上で最も重要な正しい日本語の使い方や、電話の応対法を学びます。丁寧語や尊敬語と併せて間違った接客用語を学び、電話での予約の取り方や満席時の対応などをロールプレイングで習得します。さらにお客様の真意を察知するコミュニケーション力の訓練やクレーム対応、来店からお見送りまでのアクションを実演で学びます。

・新人研修

サービス業において最も基本的な礼儀・挨拶の仕方や、髪・爪の長さなどの身だしなみを学びます。また、職場における心がけや業務上の禁止事項、このお店で働く目的など、意識レベルの教育で従業員の定着を目指します。

店長研修

部下指導スキルやコミュニケーション力を高めるために、部下の「ほめ方・叱り方」や「指示の仕方」など、具体的な指導法をロールプレイングで学びます。また、経営者として店舗の数字を管理する能力も求められることから、売上アップの施策策定や施策展開を行うマネジメントスキルを講義の中で養います。

マナー研修

お客様のニーズにあったホスピタリティを提供できるよう、美しい姿勢の保ち方や好印象を与える声と笑顔の作り方を、モニターで確認しながら学びます。この姿勢動作訓練は自分の癖を認識できるというメリットがあり、社員の意識改善に有効です。また、身だしなみの重要性や食中毒を防ぐための具体的な防止策なども講義で確認します。

e-ラーニング

パソコンやスマートフォンなどの端末を使用して受講する、非対話型の研修です。クレーム対応や調理の手順などの様々な内容を、実演映像の中から学びます。この研修法は場所や時間を選ばずに学べることが最大のメリットですが、受講することへの強制力が弱いというデメリットもあります。

「最上級のおもてなし」を学ぶ接遇研修

最近、注目を浴びている「接遇」とは、お客様への「最上級のおもてなし」サービスを学ぶ研修です。通常の接客研修よりも、さらにワンランク上の立ち振る舞いや卓越したコミュニケーション力を身に付け、お客様と強い信頼関係を構築できるようレベルアップを目指すプログラムになっています。細やかな心遣いは、お客様に特別な接遇を受けているという意識を与えます。社員一人ひとりの印象が、会社や商品そのもののイメージにつながることを自覚し、お客様の信頼を得ることに喜びとやりがいを見出せるような人材教育は、企業の成長に直結します。研修により質の高い接遇を身に付けることで、社員やスタッフは自信を持って店舗に立つことができるようになるでしょう。

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