介護業界の社員研修

介護の基本からプロの技術を学ぶ

超高齢化社会を迎えたいま、介護の現場では職員の人材育成が急務となっています。ここでは、時代のニーズと共に介護業界が抱える深刻な問題や、各施設が取り入れている社員研修の特徴をわかりやすく紹介します。

介護業界の動向

高齢者の人口増加に伴い、介護業界のニーズが拡大しています。かつての日本社会で多くみられた家族による自宅での介護が、核家族化の進行により困難になっている現状も介護ビジネスの拡大を後押ししている要因のひとつです。また、公費による老人福祉施設では金銭面での制約が多く、充実した介護サービスを受けられないという現実もあります。こうした状況を背景に「介護保険制度」が2000年に施行され、多くの民間企業が介護サービスに参入しました。

介護保険制度とは、公費と介護サービス利用者の保険料により財源がまかなわれる仕組みで、利用者の介護レベルによってサービスを得られるのが特徴です。これに伴い、介護予防訪問看護やデイサービスという民間施設も登場しました。しかし、拡大していく介護業界の裏側で、介護職員の人材不足という問題が生じています。介護職は賃金が低いだけでなく体力的な負担も大きいため、辞めていく職員も多いのです。こうした問題を解決するために必要なのが、やりがいを実感できるように職員の知識と技能をレベルアップさせる研修です。接遇や介助の基本を学ぶため、社内研修を毎月行っている施設もあります。人材育成は介護業界のこれからを支えるために必要な対策なのです。

介護業界の課題、教育の課題

いま、介護業界はかつてないほどの人材不足に陥っています。介護保険制度が開始されたことにより介護対象者が増加した状況に対し、介護する側の就業者を増員できず、慢性的な人手不足が続いているという現状です。また、仕事内容がハードな割に給与水準が低いという待遇の悪さから、職員の介護離れが進んでいることも人材不足を招いている大きな要因となっています。

近年、介護事業者の半数以上が民間企業による運営となっていますが、養成学校との縁が少ない民間企業が知識を備えた専門学生を採用することは難しく、医療や専門知識のない一般学生を採用することで人員を確保しています。しかし、専門的なスキルを持たない職員が利用者の多様なニーズに応えていくことは決して容易ではありません。今後ますます増加する他の介護施設との差別化を図るためにも、職員のスキルアップは避けて通れない課題なのです。教育体制をしっかりと整え、継続的に職員のモチベーションを保ち続けることは離職者の減少に繋がります。

充実した社員教育は職員に自信と安心を与えるのです。一般学生を受け入れる民間の介護事業者は特に、丁寧な指導と教育をしていくことが一番の課題といえるでしょう。

介護業界向けの主な研修

介護業界が行っている社員研修の内容を紹介します。ぜひ参考にしてください。

クレーム研修

利用者やその家族からのクレームは、対応を間違えれば大きな問題に発展します。クレーム処理において大切なことは相手の心情を知ることと、聴く姿勢です。この研修ではグループワークやロールプレイング形式でクレームに対する恐怖感を軽減し、業務改善のための目標設定まで導きます。

新人研修

業務に慣れ始めた新入社員を対象に行われます。豊富なディスカッションを通して社会人として自分の壁を乗り越える方法を学び、積極的にチャレンジしていく精神を養います。また、話を聴く姿勢や周囲とのコミュニケーション力を高め、チームで協力して貢献していく意識を身に付けます。

マナー研修

介護職はホスピタリティへのニーズが高い業種です。好感を与える笑顔や挨拶、そして利用者への配慮をした言葉遣いと行動を、講義と実践形式で身に付けます。

e-ラーニング

パソコンやスマートフォンを通じた実演映像で、利用者への排泄、食事、入浴、車椅子や歩行介助法を学びます。この研修は集合型の研修に比べ大幅にコストダウンが見込めるがメリットですが、通信環境を整備する手間がかかるというデメリットもあります。

介護研修

介護者のケア技術スキルアップ研修です。利用者の移動技術から、口腔ケア、床ずれ・肺炎防止のポジショニングなどを理論と実技の両面から学びます。この研修は、介護現場で問題になっている介護者の腰痛を改善するメリットがあり、最も要望の多いプログラムです。さらに、介護従事者のための救急法や女性利用者の心理的効果を見据えたメイク研修を取り入れている施設もあります。

介護施設で必要とされる接遇研修とは?

いま、介護業界では「接遇」の重要性が見直されています。介護現場における接遇は、一般企業の接遇スキルにプラスαが求められるからです。この研修ではホスピタリティの重要性を学びながら利用者を不快にさせない会話法や立ち振る舞いを、講義・グループワーク・ロールプレイングなどの様々な角度から習得します。さらに、基礎敬語の理解に加え、「知らない」では済まされない利用者に使ってはいけない言葉を学びます。研修により一度身に付けた質の高い接遇スキルは、職員にとって一生の財産になります。そして、職員が知識を現場で活かすことができれば、利用者の満足度を高めるだけでなく、多くの施設の中から選ばれる介護施設であり続けることができるのです。

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